旧市街の活性化に新施設建設は効果があるのか?

コロナ禍が終わり、観光客もほぼ戻ってきました。新たな観光施設の建設も始まっています。

 

観光拠点が完成すると、益々来訪する人が増えそうです。大きな経済効果による地域活性化に期待が高まるのですが、実際にはそれほどの成功事例は少ないように思います。確かに地域としては賑わうのですが、地域外からの来客は新しくできた施設に集まるだけで、旧来の店舗や事業者には足が向かっていません。

 

シャッター通り
シャッター通り

これは来客者の側が古い施設に興味を持たないということもありますが、より大きな要因は地域の既存事業者が新しい客の来訪を望まないことです。

 

地方では事業者は生活者でもあるので、自分のテリトリーに外部の人が入り込むのを拒むというか、心底から歓迎しない傾向があります。旧来のお客様は気心の知れた近隣の人たちだったのです。

 

来訪した方は少しでも歓迎されていないと感じられるところには、足が向かいません。

そうなると、来訪者の増加による地域物価の上昇とか、交通渋滞や不法駐車などの発生、ゴミや騒音など、地域住民側では不満が募ります。

 

ところが、この不満が爆発するのかというと、これがまたそうでもないのです。

実は、旧来の住民のほうも新しくできた施設の利用者でもあるからです。自分も楽しみますし、離れている子供や孫が施設を目指して帰省してきたりします。自分の事業はともかく、近所に出来た新しい施設に結構な満足度があります。但し、この効果がどのくらい続くのかはわかりませんが・・。

 

本島は、既存の店舗や事業主に、新しいお客様を喜んで受け入れて、事業を発展させていくという動機付けができればと思います。これがないと、持続的な地域の活性化にはなりません。

かなり難しい課題で、良い方法がなかなか見つかりません。