3C分析で最もアイディアが出るのは競合分析

マーケティング戦略を考えるときのフレームワークに3C分析というものがあります。

 

3C分析の3つのCとは、Customer(顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)です。3つのCのうち、最も経営戦略に寄与するのは恐らくCompetitor(競合)です。

顧客を分析することはもちろん重要ですが、どれほど頑張ったとしても正確なことは分かりません。自社の分析とは、顧客と競合の変化にどのように対応していくのかという受け身になりがちです。もっとも環境変化を無視して分析することは徒労です。

 

台北のマーケット
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そこで、競合とは何かを整理します。ネット辞書には次のようにあります。 

競合:せりあうこと。きそいあうこと。

 

似た言葉に競争がありますが、同じ辞書では次のようにあります。

競争:互いに同じ目的に向かって勝敗・優劣をきそい合うこと。

 

う~ん、違いがはっきりしませんね。

個人的な印象なんですが、競争という言葉には陸上競技のレースのようなイメージがあります。似通った体系の選手たちが、それぞれのコースに分かれて(少なくとも露骨に相手の邪魔をすることなく)ゴールに向かって、最も早く到達できるように努力します。そして、1位になった選手が金メダルの栄誉に輝くのです。

 

競合という言葉には、ラグビーが一番ピッタリするのですが、球技でボールをせりあっているイメージがあります。ボールを獲得しようとしている選手は、それぞれが独自の方法でチャレンジします。味方同士で協力することもあり、相手チームの選手の邪魔をしたりもします。また、それぞれの選手の体格や身体能力、役割には違いがあります。

 

ビジネスにおける競争や競合を考えるときには、自社と同じ業種、同じコンセプトの相手だけを考えてはいけないように思います。自社の事業領域にちょっかいを出そうとしているのは、全く異なる業種業態の会社であったり、市場規模に似合わないと感じるような大手企業だったりもします。少なくとも、自社の事業領域の前後左右に隣接した領域で活動する企業は競合になると考えるべきでしょう。

 

複雑な競合がおこなわれるような業界では、新しい顧客や市場が開拓されたり、何らかの技術革新がおこなわれる可能性が高くなります。自社のなかから自発的な革新を起こすことは、特に成功している企業では難しいですし、多様な顧客があれば革新へのきっかけになるかというと、これもまた難しいです。このため、マーケティング戦略を考えるとき、最も多くの有益なアイディアを得ることができるのは、競合を分析することになりそうです。