今朝の日経新聞日曜版 The STYLEが ”「日本の赤」ベンガラの美” でした。
日経から「日本のシンボルカラーである赤。古来、魔よけや再生の色として広く使われてきた。その代表的な色材が酸化鉄、いわゆる鉄さびからできるベンガラだ。中世に工芸品などを通じて世界を魅了した「ジャパンレッド」の象徴がいま再び脚光を集めている。古代から現代へ、そして未来へ。ベンガラの物語は続く。」
ベンガラにはちょっと詳しいのですが、琉球ベンガラの記事は知りませんでした。
2019年に火災で焼失した首里城の復元工事は2026年秋に完成を目指しています。その際に、首里城をできるだけ琉球王国時代の建物に忠実に再現したいと考えました。
首里城は赤がポイントですが、焼失した首里城の赤は工業製品で化学合成で生産されたベンガラでした。それに対して、王国時代の赤は久志間切ベンガラが使われていました。
そこで、令和の復元では、久志間切ベンガラを使用して忠実に復元をします、首里城の赤の色味が大きく変わります。
久志間切ベンガラは、名護市久志に流れる小川で採取した「カイミジ」という赤い水が原料です。赤い水は、鉄成分と鉄バクテリアがつくる浮遊物によってつくられています。
赤い水を長時間放置すると浮遊物が沈殿していきます。この沈殿を1000℃近くまで燃焼すると赤いベンガラができます。
首里城の塗装には、このベンガラが僅かに50㎏必要でだそうで、50㎏できあがるのは今年の夏以降だそうです。工場では1時間当たり1000kgを超えるベンガラを生産していたので、同じ酸化鉄といっても別物です。バクテリア由来のベンガラが塗られた首里城がどんな雰囲気になって再建されるのか、興味津々です。