介在田って何?農地の固定資産税についての諸々

一般農地の固定資産税は農地評価に対してかかります。農地評価とは、売買価格に限界収益率0.55を掛けて求めます。

 

農地評価での固定資産税は、反(10a)当りで年間1000円くらいです。固定資産税は評価額の1.4%と決まっていますから、1000円の税額ということは、反当たりの農地評価が7万円くらいで、坪当たりでは200円くらいになります。

 

農地の固定資産評価
農地の固定資産評価

市街化区域農地になると基本的に宅地並み評価となって固定資産税が大幅に高くなります。但し、実際に農地として使用している場合には負担軽減措置があって1/3になります。

 

ここで、頭の痛い問題に農地なのだけど農業に利用していない土地に対する固定資産税があります。いわゆる、耕作放棄地や遊休農地というもので、農業者が高齢になったり、亡くなったりした場合にしばしば発生します。

 

一般農地の場合は、農業に利用しないと限界収益率0.55を乗じることができなくなるので、固定資産税が1.8倍になります。市街化区域の場合は、農地として使用しないなら負担軽減措置が解除されるので、税額は3倍になります。固定資産税を上げることで、非農地のままで放置し難くするという政策です。

 

また、宅地等介在農地(介在田や介在畑)というのもあります。農地を宅地に転用する許可を受けたが、農地のままになっている土地です。この場合は、農地として使用していても宅地並みの固定資産税がかかります。税金面ではとても不利です。

農地であれば本来は売買や貸借には農業委員会の許可を得るなど面倒な手続きが必要ですが、既に得ているので臨機に売買できるというメリットもちょっとあります。

 

日本の農地は2022年末で430万haと、国土の11.6%を占めますが、グラフにあるように年々その面積は減少しています。

 

逆に荒廃農地は年々増えており、28万haを超えています。荒廃農地のうち、9万haは未だ再生可能とされていますが、19万haはもはや再生できないようです。

 

日本では荒廃農地を含む未活用地が2018年で329万haあり、年々増えています。管理する人がいない土地も増えていて、不法投棄などの事例もあり、安全や景観に不都合が生じています。国土の有効な活用について、考えていかなければなりません。