保守政権振り子理論。派閥があったほうが分かりやすいのだけど

自民党の五大派閥のうち3つが解消されるようです。

 

派閥とは「自民党内で総裁など主要なポストを獲得あるいは維持することを目的とした非公式な集まり」と定義されるようです。現在の自民党には、安倍派・麻生派・茂木派・岸田派・二階派の5大派閥があり、これ以外に複数のグループがあります。自民党(自由民主党)は旧自由党と旧民主党が合併したときから派閥がありました。分裂や統合を繰り返してきましたが、概ね5つの大派閥があるという状況が続いてきました。

 

当初の岸田改造内閣
当初の岸田改造内閣

自民党という一つの政党ですが、いわゆる保守的な考え方の強い人たちもいれば、進歩的な考えの人たちもいます。国際関係ではタカ派も、ハト派もおります。明言しなくとも親米派も親中派もいます。

 

派閥とは考え方や政策の似通った人たちの集まりです。わかりやすく言えば、右寄りの政策を好む派閥もあれば、左寄りの派閥もあります。

 

自民党の政治は、右に寄り過ぎたら左に振れ、左に寄り過ぎたら右に振れる、派閥の振り子を揺らしながら前進すると言われています。

2021年に自民党岸田政権が誕生しました。2000年に民主党系で保守傍流の森首相が誕生してから、麻生首相の1年を挟みますが、小泉、安倍、福田・安倍と自民党の振り子はほぼ20年の間、左に振れたままでした。それが、菅首相の1年を挟んで。保守本流の自由党の系譜をひく岸田首相へと交代して、自民党は振り子を右に振ったわけです。

 

さて、日本の行政は日本国憲法によって内閣が連帯して責任を担うことになっています。つまり、内閣の決定は全員一致でなければなりません。

☞ 2021/09/29 内閣総理大臣って、何をする人?何ができる人?

 

派閥均衡内閣と批判されることがありますが、内閣が同じ考え方の人で固まることの方が危険です。総理大臣が、自らの出身とは異なるいろいろな派閥からメンバーを選び、合議によって政策を決定することが健全なことだと思います。

 

政権がどのような政策決定をしていくのかは、振り子の振れが国民の目にはっきり見えるほうが分かりやすかったです。派閥解消となると、少し困る感じがしますが、まぁ、派閥は非公式な集まりなので、解消してもまた違う形でできてくるのでしょうね。