信頼されるための四つの条件

プロフェッショナル(専門家・職業人)が信頼できるか否かは何で決まるでしょうか?

 

第一の条件は、その人が持っているプロフェッショナルとしての能力です。十分な知識や経験、卓越した技術や技能、それらを裏付ける資格などがあることは、信頼の第一歩です。電車に安心して乗って居眠りしていられるのは、運転士は所定の訓練を積んでおり、鉄道会社の試験を受けて正規の資格を持っているはずだという推定があるからです。

 

信頼
信頼

第二の条件は、その人がプロフェッショナルとして持っている能力をきちんと発揮する仕組みがあることです。運転士は、会社の規程によって十分な休養をとっており、心身の健康状態は良好で、アルコールも摂取していません。能力の発揮を阻害するものは無いはずだという推定があるわけです。 

 

第三の条件は、その人がプロフェッショナルとして仕事に取り組むだけの倫理性を持っていることです。能力や仕組みが整っていても、それを活用しなかったり、ルールを守らない人では信頼できません。日頃の言動や行動から、この人は道に外れることをしないはずだという推定があるわけです。

 

第四の条件は、ちょっと変な話なのですが、仮に信頼が裏切られた場合のバックアップがあることです。万が一、運転士が信頼を裏切って事故が起きたとしても、鉄道会社は補償をしてくれるだろうという推定をどこかでしています。少々の言葉では表せないほど酷いトラブルが続いている金融や決済のシステムが、信頼され続けているのも、最終的には補償がされているからです。

 

この四つの条件が揃ってはじめて、信頼されるわけです。例えば、鉄道・バス・飛行機(空港管制)などの交通系、警察や検察、弁護士や裁判官、学校の先生、国会議員や地方首長などの政治家、NHKをはじめとするTV、新聞や週刊誌、県市町村の行政職員などは、信頼がとりわけ重要です。もちろん、あらゆる分野の経営者やそこで働く従業員にとっても、信頼無くして仕事はできません。