将棋界はAIの進歩でガッチリ!かな?

NHKの将棋番組でもAIによる評価値と候補手が表示されるようになっています。

 

現在では、名人と言えども人はAIに将棋では勝てないというのが全体の合意になっています。それでも、藤井聡太八冠というスーパースターの登場もあって、将棋界は過去にない隆盛を誇っています。まぁ、野球でもピッチングマシンよる速い球を投げる投手はいないですし、ゴルフでも機械のほうが正確なショットをしますから、同じといえば同じです。

 

AI対名人
AI対人間

NHKテレビの場合、先手・後手の優劣と同時に、AIが推奨する 候補手が3つ表示されます。

優劣は見て意味が分かるのですが、候補手3つの判断は難しいです。例えば、➀の候補種が+5点、➁が+4点、③が+3点という場合もあれば、➀が±0点、➁が-10点、③が-20点という場合もあります。

 

さて、AIと人間の違いが如実に表れた場面があります。先手・後手の優劣で40:60で先手が少し不利な場面です。

先手は、AI候補手にない手を指して、優劣は30:70に開きました。つまり悪手を指したというわけです。これに対して、後手がまたAI候補手に無い手を指すと、直後にAIの判定が大きく揺れ動いて、優劣が逆転して80:20で先手有利になりました。

 

つまり、先手が差した一手は悪手ではなく勝負手だったわけです。

後手は、先手が次に指す手をAI候補手のどれかと予測して応手を考えていたのかも知れません。そこに、予想外の手を指されて思考が混乱したのでしょう。短時間では、考えをまとめきれずに、悪手を選んでしまったわけです。

 

当初、テレビの画面にAI判定を表示するのはどうかと思っていたのですが、こういう棋士の人間性や勝負勘がわかるのも面白いです。

また、解説される棋士の方が、AI候補手を見ていながら、それ以外の指し手を予想されることが意外なほど多いです。AI候補手を、プロ棋士であれば指さないと判断して、この棋士ならこう指すに違いないと言われるのです。また興味深いです。