文部科学省が所管する国立研究開発法人防災科学技術研究所(防災科研あるいはNIEDと略称される)が、調査した結果を公開しています。地震のリスクは、地方自治体では評価できないので、市町がつくるハザードマップには記載がありません。基本的には、国(防災科研)のデータを参照します。
今回の能登半島地震の震源は能登半島の先端部分にある珠洲市のギリギリ陸域だったようです。今まで知られていなかった断層が動いたということです。
被害が大きいのが、珠洲市とその西隣に当たる輪島市です。道路網が寸断されていることもあって、両市の被害は全貌が明らかになっていません。また、輪島市の場合は地震・津波に加えて大きな火災による被害もありました。
今回の地震で最大震度7を記録したのは、志賀町で、6強は珠洲市、輪島市のほか、穴水町と七尾市で観測されています。
地震ハザードカルテを検証してみます。
輪島市(上)と珠洲市(下)のカルテです。
レーダーチャートの赤い範囲が広いほど、リスクが大きいと考えてください。
乱暴な言い方ですが、輪島市は日本列島では平均的なリスクの大きさで、珠洲市はむしろリスクは小さいと評価されています。
七尾市(上)と最大震度7の志賀町(下)です。
志賀町で30年以内に震度6強以上の地震がある確率は1.7%でした。1000~2000年に1度のという確率です。
比較に、山口市(上)と宇部市(下)のハザードカルテです。
日本列島の中では、山口県は最も地震リスクの小さい地域と言われていますが、油断はできません。
最後に、東京都心(上)と大阪都心(上)のハザードカルテです。
これが何を示しているかは、明らかです。