「オーバードーズ」という、あまり耳慣れない言葉をよく聞きます。
オーバードーズ(Overdose)とは、薬を使うときの一回あたりの用量(dose)が過剰である(over)ことだそうです。自傷のための薬物の過剰摂取、特に市販薬を使った場合によく使うそうです。じゃ、オーバードーズとか気取らないで、「薬物過剰摂取」か「市販薬超過摂取」と言えばよいような気がします。どうも、カタカナ語には馴染めません。
市販の風邪薬、咳止め薬、鎮痛薬などを大量に服用することで、眠気や疲労感がなくなり、ストレスから解放されるのだそうです。
しかし、この効能は一時的なので、繰り返し服用するようになり、且つ服用する量も増えていくようです。結果として、呼吸困難や意識混濁などの重篤な症状を呈したり、幻覚や幻聴などにつながるということです。
覚せい剤や医師の処方が必要な睡眠薬や抗精神薬などと違って、市販薬なのでドラッグストアなどで容易に入手できるということで、若者に広がっているようです。なかなか規制するのが難しいような気がします。
市販品を使った幻覚といえば、我々の世代では、揮発性溶剤の摂取が問題でした。「シンナー遊び」なんて言い方をして、軽い印象を与えていたのも問題だったように思います。シンナーがなかなか手に入りにくくなったら、接着剤などで代用する者も出てきました。
食品や飲料、調味料、サプリメント、ある種の生活用品など、過剰摂取すれば幻覚や身体への障害を引き起こすものは多数あります。人工物に限らず、天然自然のモノにもあります。
したがって、モノを規制するのではなく、摂取するヒトへのケアが大事です。また、こういうモノを供給することで利益を得ているようなヒトが多数いるようです。これを排除することは、もっと大事なように思います。