冷凍冷蔵庫の等級には、C3・C2・C1・F1・F2・F3・F4の7段階があります。
C3は庫内温度が10℃~マイナス2℃、C2はマイナス2℃~マイナス10℃、と続き、最後の7段階目のF4はマイナス50℃~マイナス60℃です。温度が低くなるほど、電力消費は増加していきます。低温冷凍庫を導入する場合には、電気代の増分も考えないといけません。
「定格能力÷定格消費電力」のことをCOP(成績係数) といいます。COPが3とは、消費電力の3倍の冷凍冷蔵能力があることを意味します。
COPは庫内温度によって変化して、右の図の赤線でみれば、冷蔵5℃の場合のCOPは3.2です。冷凍25℃であればCOPは1.1です。
分かりやすく、能力1kWの冷凍庫で冷凍庫内温度マイナス25℃とします。年間消費電力はおよそ「1÷1.1×8760≒7964kWh」です。仮に1kWhを25円とすると電気代は年間19万9千円となります。
もし、庫内温度を1℃緩和してマイナス24℃にすると、約4%の省エネになり、年間300kWhの省エネで7500円のコスト削減になります。
但し、冷凍庫の設定温度を緩和してよいかは、難しい問題です。冷凍保管しているものの品質保持が大丈夫かどうかの見極めをしなければなりません。
どうも、一般消費者だけではなく、事業で冷凍庫を使用する人にも、「冷凍庫神話」というか、低温礼賛の思想が定着しています。しかし、冷凍していれば、いつまででも大丈夫というわけではありません。冷凍中にも、商品の品質の劣化は確実に進行します。
つまり、冷凍設定温度の緩和は、保管ルールの設定と一体でなければならないわけです。