化石燃料の可採年数は短くならないけれども・・

化石燃料の採掘量はコロナ禍での一時的な減少を除くと右肩上がりに増えてきています。 

 

燃料別では、石油と天然ガスの採掘量は増加基調が変わらず続いています。石炭の採掘量は近年では横ばいになっていますが、減ってはいません。化石燃料は、数千万年から数億年前の生物の死骸から出来上がるものです。採掘を続けていけば、必ずいつかは枯渇してしまいます。

 

エネルギー可採年数
エネルギー可採年数

それでは、化石燃料は今後どのくらいの期間で枯渇 するのか?というのが気になります。

資料によると、石油は2020年以降54年間が可採期間。、天然ガスは49年となっています。2070年頃には、採掘可能な石油や天然ガスは無くなるわけです。

 

もし、世界中の人が、この可採年数を信じているなら、脱炭素の動きが停滞することはありません。

しかし、この可採年数が当てにならないのです。1980年からの20年間は、石油の可採年数は毎年残り40年とされていました。1年経っても40年は変わらないという不思議です。

 

2020年以降はシェールオイルや超重質油田の発見によって、可採年巣は20年経って、逆に14年分増えました。つまり、いくら石油をは採掘しても、可採年数は伸びるのです。今では、「オオカミがきたぞ~」と同じよう現象が発生しています。

 

可採年数が伸びているのは、採掘可能な新たな資源が発見されているのが大きな要素です。目出たいことではありますが、これまで発見されていなかったということは、採掘に向いていない資源ということです。この場合、化石燃料の採掘に随伴して、漏れ出すガスが増えていきます。

 

こういったガスは燃焼を伴わないまま大気中に放出されます。二酸化炭素よりはるかに高い温室効果があり、今でも世界の温室効果の6~7%が化石燃料の採掘時の漏れガスを原因としていると言われます。但し、この漏れ量を正確に把握できないので、控えめな試算なんだろうと思います。

 

日本では省エネやGXなどによって、化石燃料の使用は減少していきますが、化石燃料由来の温室効果ガス排出量が減少するとばかりは言えません。さらに徹底した省エネに取り組むことが重要です。