クマが山口県の西端まで到達。関門海峡を越えるときがくるのか?

鳥獣害のニュースが増えていますが、とりわけクマの被害が深刻なようです。

 

クマは本州と北海道に広く分布しています。九州にはクマはおらず、四国には僅かに生息しているものの限定的です。山口県は本州の西端にあって、日本のクマ生息地としても西端にあたります。山口県など西中国山地に生息するクマは、今のところはまだ保護対象になっていて、捕獲はできません。近年では個体数が増えてきて、市街地に近い場所までクマがやってきていますから、捕獲再開も必要かもしれません。

 

山口県のクマ出没件数をグラフにしてみますと、2004年と2010年に特異なピークがあります。いずれも梅雨の長雨やナラ枯れが発生して、クマの食べ物が不足して多くの個体が人間にいる場所に降りてきたようです。これが、近年2018年頃からは、毎年のようにクマが目撃される件数が増えているのがわかります。

 

地図は、山口県のクマ出没マップです。実は、2010年頃までは、ツキノワグマの西限は西中国山地のなか、萩市の佐々並や明木あたりと言われていました。それが、2010年に初めて美祢市でクマが目撃されてからは、一気に下関市や瀬戸内海側の宇部市や山陽小野田市でもクマが目撃されるようになりました。

 

明らかにクマの生息域が拡がっていて、山口県の西端(つまり本州の西端)にやってきました。近い将来には関門海峡を泳いで渡って、九州に生息範囲を広げるのではないかと懸念されています。クマへの対応政策を転換する時期がきているように思われます。

 山口県警「クマに注意!」