大阪万博のリングは円周約2㎞、高さ最大20m。世界最大の木造建築物とされています。
建設費350億円をかけて設置しますが、万博の閉幕後には解体する計画でした。国会でリングの建設自体が「無駄遣いだ」との批判を浴びてしまいました。万博協会は、閉幕後に現地で保存するとか、解体した木材を再利用するとか、時間稼ぎのような話をして、嵐が過ぎるのを待っています。
テレビで映っていました。見てみると、リングの陸上構造物の工事は全体の2割近くが進んでいます。ということは、地下構造は大半が完了していると思います。
使用される木材は、各地のプレカット工場で加工されて現地で組み立てられるのですが、おそらく加工は5割以上終わっています。当然ですが材木は既に全てが調達されていて、どこかの倉庫で加工を待っているはずです。
要するに、万博会場の建物の設置に先駆けて、リングの建設は既に最終盤にあります。今さら建設をやめても350億円が戻ってくるわけはないです。無駄遣いと批判するなら、もう少し前の段階でなければなりません。
また、万博イベント期間だけ使用して解体することを計画していた巨大構造物を、閉幕後も保存するというのは、普通は無理です。それこそ、たくさんの追加費用が必要になるうえに、維持管理費がずっとかかります。大阪府民や大阪市民が喜んで負担するとも思えません。
もちろん、どこかに移設するというのも、現実的なアイディアではないように思います。どこに、この巨大構造物を設置するのでしょうか?しかも、膨大な費用をかけて。
分解して、部分的に設置するという案もあるようですが、これもまた夢のような話です。
なんとなく、批判をかわして時間稼ぎをしているようです。まぁ、国会議員も忙しいので、そのうち忘れてくれるでしょう。万博のようなイベントは、開催してしまえば、それなりに盛り上がると思います。予定していた入場者数を上回り、収益も計画以上になれば、大成功だと喧伝することは可能です。何となく、茶番劇を見せられているような気がします。