飛鳥・奈良時代の天皇には女性が多い

一昨日・昨日の続きです。白村江への出兵を決めた斉明天皇は天智天皇の母です。

 

その時代の天皇系譜です。37代斉明天皇は重祚していて35代皇極天皇と同じ人です。系譜では敏達天皇の曾孫ですが、舒明天皇の后でもあります。天智天皇・間人皇女・天武天皇の母です。間人皇女は母の皇極天応の弟の孝徳天皇の后です。

 

飛鳥なら時代の天皇
飛鳥なら時代の天皇

飛鳥・奈良の時代の天皇の系譜をみると何だか不思議です。

大きな特徴は赤で囲った女性天皇が多いことです。初めての女性天皇が33代推古天皇で、1代飛んで35代皇極天皇は37代斉明天皇として重祚します。斉明天皇の子が38代天智天皇、40代天武天皇となり、天智天皇の娘で天武天皇の后が41代持統天皇です。持統天皇以降、5代・4人の女性天皇が続きます。

 

次に兄弟姉妹での皇位継承が多いことです。天智・天武天皇兄弟は有名ですが、他にも多くの兄弟姉妹継承があります。当時の天皇位は結構自由で、ある程度の血縁があれば構わないというイメージです。48代称徳天皇から49代光仁天皇への継承は4代遡った天武天皇系から天智天皇の孫への継承です。

 

最後に、極端な近親婚や近親再婚が多いことです。皇位継承が天皇家・皇族に限られるなかでのことですし、それ故に女性天皇が多いという面もあります。しかし、遺伝的にはあまり好ましいことではなかったようです。