この地域には多くの古墳が残っています。最も古いのが田布施町の国森古墳、最も大きいのが平生町の白鳥古墳(全長120m)です。そのうち、よく整備されていて訪れる人が最も多いのが柳井茶臼山古墳です。
古墳は全長90m、後円部の径約57m・高さ8m、前方部の幅40m、くびれ部の幅34mという大きさです。
前方部二段・後円部三段の構造になっていて、6種類の埴輪が多数出土しており周囲に配置されていたようで、その様子が復元されています。
埴輪以外にも剣や刀、勾玉や管玉など多数の出土品がありますが、最も有名なものが、単頭双胴鏡怪獣鏡です。現在は東京国立博物館に収蔵されていますが、直径約45cm・重さ9㎏は日本一大きい銅鏡です。
ところで、茶臼山という地名です。国土地理院地図には、山の名前として53座が掲載されているそうです。最高峰は中央アルプス(長野県)の茶臼山2652mです。愛知県の最高峰も長野県境にある茶臼山1416mです。
大坂冬の陣で徳川家康が本陣を構えたのも茶臼山ですが、高さ8mで山というより小さな丘です。国土地理院には載っていません。茶臼山という地名は全国に200はくだらないようです。
茶臼山城も各地にあります。山口県では下関市に内日(うつい)茶臼山城があります。
そして、茶臼山古墳もまた全国に多数あります。最大のものは奈良県の桜井茶臼山古墳で全長207m(日本古墳大きさランキング32位)です。
茶臼山古墳という名称ですが、古墳時代に茶臼が発明されているわけもないので、全て後世の人が名付けました。茶臼山古墳は前方後円墳です。この前方後円の形が茶臼に似ているということで名付けたと説明されています。円形の石臼に、円柱(平面でみれば長方形)の取っ手がついた形というわけですが、それほど似ているようには思えません。ちょっと不思議です。