新計量法試行から30年。11月1日は計量記念日

11月1日は計量記念日です。1993年11月1日に現在の新計量法が施行されました。 

 

旧計量法は1951年(昭和26年)の制定されています。それまでは1891年(明治24年)に制定された度量衡法でした。度量衡の度は温度や角度ではなく長さのことです。量は容積、衡は重量です。明治新政府は1886年(明治19年)にメートル条約に加盟済みだったので、度量衡法では日本独自の尺貫法とメートル法が並列されていました。

 

計量記念日(更級日記)
計量記念日(更級日記)

度量衡法は戦後に計量法と名前を変えたのですが、 旧弊を引きずってもいました。そこで1993年(平成5年)に全面改正されて新計量法となりました。

 

国際単位系(SI単位)へ統一されたのが最も大きな変化です。30代後半以降の人は、台風情報で気圧の単位が、ミリバール(mb)からヘクトパスカル(hPa)に変わったのを覚えているでしょう。

工業用圧力計の単位も、kgf/cm²からメガパスカル(MPa)に変わり、荷重の単位は、kg重からニュートン(N)になりました。

 

日本では、新計量法で計量単位はSI単位系を基礎とした「法定計量単位」を使うこととされています。非法定計量単位を取引や証明に使うことや、非法定計量単位を使用した計量器を販売することは禁止です。経済がグローバル化してボーダレスになっているので、無用な混乱を避けるためです。 

 

計量器の検査をおこなったり、計量管理を担当するのが計量士です。計量士は、長さ・重さ・容積・温度などが対象の一般計量士、排水・排ガスなどの濃度を対象とする環境計量士(濃度)、騒音と振動が対象の環境計量士(騒音振動)の3種に分かれます。

 

一般計量士は全国に約1万4千人、環境計量士は合わせて約2万1千人です。計量士の不足が指摘されていて、且つ高齢化も著しい状況です。年に1度の国家試験の合格者では足らないので、講習+実務経験で認定する制度もあり、一般計量士の実務経験期間が2018年から5年から2年に短縮されています。