阪神淡路大震災で倒壊建物による被害を受けた人は16万4千人もいたそうです。
そおうち約80%の12万9千人は自力で脱出し、15%の2万7千人は近隣の方の援けを得たそうです。残る5%の8千人の救出には消防や警察、自衛隊など公設機関の力が必要になったということです。「自力:他力:公力=80:15:5」という比率には何か意味がありそうです。
東日本大震災で公設機関が救助した人は約3万人です。80:15:5の法則を当てはめると 60万人が生命を脅かされる状況になり、48万人は自力で逃れ、9万人は近所の人や職場や人に援助を受けたのかも知れません。
防災において重要なのは、この順序だと思います。第一には、自分であるいは家族で何とかするという能力を高めることは大事です。
次には近所の方とか職場の方とか、何かしらの縁がある方と相互に協力できるようにしておきたいです。それも、何かをしてもらうのではなく、何かのときに身近な人の役に立てるような心技体をもっておきたいです。
消防や自衛隊に頼るのは最後にしましょう。公設機関が助けに来るにはどうしても時間がかかります。その間にどんどん状況は悪化していくでしょう。身体だけでなく、心も傷みます。一刻も早く危機から脱するには、いろいろな連携が必要です。今でも、共助は公助の3倍の規模があるのですが、これを増やしていくことが大事です。
企業経営者や個人事業主が不測の事態に対する計画(事業継続計画)をつくる際にも、近隣の方をはじめとした関係者に、事業者として何かできることはないかと考えることは大事です。
共助というと、まずはご近所さん。地域の方どうしの援助を考えがちですが、地域という枠を超えて、縁のある方とは共助をすることを考えていきましょう。それが、自社の事業継続に大きな援けになります。