宇部市のANAクラウンプラザホテルが、来年3月末で営業終了して、運営会社も解散することになりました。 ☞ UBE㈱ Webサイト「㈱ユービーイーホテルズの解散について」
ANAクラウンプラザホテルは1983年に開業しているので、ちょうど40年です。宇部の人にとっては、開業当初の名前である「宇部全日空ホテル」のほうが通りがいいです。宇部市唯一というか、今では山口県唯一の本格的な都市型ホテルですから、閉鎖は結構なインパクトがありますね。名前にANAとついていますが、UBE(旧宇部興産)が株式100%を所有する子会社、但し非連結子会社です。
UBEのWebサイトによると、「近年のホテル運営は、施設の老朽化やコロナ禍による利用客の減少に伴う業績悪化もあり、現状のままでは業績の回復が見込めない」ということで、解散に至ったそうです。
私などは会議や会合では何度か利用しましたが、宿泊する機会はもちろんありません。ただ、会社に勤めていた頃に、海外からのお客さんをお泊めする場合は、ANAホテル一択で選んでいました。
さて、ANAクラウンプラザホテルは写真にあるようにL字型の特徴的なデザインです。ビルの名前は宇部興産ビルです。東棟がオフィス棟、南棟がホテル棟、低層棟が国際会議場になっています。UBEは、オフィス棟はそのまま使用するようです。ホテル棟の売却先を探したけれど見つからなかったということです。
宇部興産ビルは、昭和を代表する建築家・村野東吾の生前最後の作品です。村野はこのビルの完成の翌年1984年に93歳で亡くなっています。このビルは1985年に第26回BCS賞(日本建設業界賞)を受賞しています。
現存する主な村野の作品は、日本基督教団南大阪教会(1928年)、宇部渡辺翁記念会館(1937年:重要文化財)、尼崎市大庄村役場(1938年:登録有形文化財)、広島市世界平和記念聖堂(1954年:重要文化財)、ウェスティン都ホテル京都(1960年)、日生劇場(1863年)などです。
確かに老朽化は否めないのでしょうが、来年3月末までは平常通りに営業しているそうですから、昭和の優れた建築に触れるためにも・・おいでませ山口! おいでませ宇部へ!