気分障害という病気。名医はどくとるマンボウかな

うつ病には「内因性」「外因性」「心因性」の3つに分類されていました。

 

遺伝や脳の働き方(素因)といったもともとの個人の病気のなりやすさ(脆弱性)を内因といいます。外因は脳に直接影響を与える物質や外傷、全身疾患などを、心因は社会生活上の出来事を指します。もともと、うつ病は内因性のものを意味していましたが、25年くらい前から心因性「気分障害」もうつ病に加わりました。

 

北杜夫 どくとるマンボウ青春記
北杜夫 どくとるマンボウ青春記

身の回りの出来事に関係なく、落ち込んだ気分が続いたり、逆に、突然ハイになって自分をコントロールできなくなる。こうした状態が一定期間以上続いて、普段の生活がうまくいかなくなっている場合を「気分障害」というそうです。

 

日本で継続的な治療を受けている患者数は、2020年時点で172万1千人(男性66万8千人、女性105万3千人 )です。

最も多いのは40歳代で36万7千人です。日本の40歳代人口は1590万8千人で計算すると43人に1人が気分障害という病気に罹っているということになります。また、この後のコロナ禍で、気分障害の患者数は更に増えているようです。

 

加えて、過去に気分障害に罹っていて、既に完治した人もたくさんいるでしょう。また、気分が落ち込むことが多くても病気だと気づかず、治療を受けていない人はもっとたくさんいるような気がします。なんとなく、日本国民はみんな病気みたいです。

 

いま、心療系のクリニックはどこも千客万来で大繁盛だそうです。なんでも、一人当たりの平均診療時間は5分ほどになるとのこと。この間にカルテや薬剤処方も指示するので、医師が患者を診る時間は1分くらいということです。

 

誰でも気分がなんとなく優れないとき、逆に妙に気分がよくなるときはあるものです。クリニックで薬をもらって治すのもいいですが、ちゃんとした食事とか、適度な運動とか、こころの健康によい生活習慣を心掛けるのがいいですね。

 

また、酷い双極性障害(躁うつ病)に罹り悩みながらも、躁状態でもうつ状態でも、それぞれに特徴のある作品を発表した、北杜夫の本を読んでみるのも良いように思います。お奨めは、「どくとるマンボウ青春記」かな。