事業承継では親子承継が一番いいとは思うのですが、少子化もあってなかなか難しいです。
ファミリービジネスでは、三代続けば完成と言われます。「三代続けば末代続く」というのは金言です。但し、この三代続くの意味は三代目の経営が繁盛しているということなので誤解しないことです。「売り家と唐様で書く三代目」「名主の三代草だらけ」なんて諺もあって、三代目がビジネスをしくじることも多いのです。
「三代目」と入力してネット検索してみると、” 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE”が延々とでてきます。今では、三代目というと、この方々のことのようです。
それはさておき、中小企業でも大企業でも親子承継ができる確率は30%と言われます。まぁ、実感としてもそんなものでしょう。
創業者から二代目で30%、二代目から三代目も30%ですから、三代目まで事業承継できるのは9%です。その三代目が繁盛して、四代目への承継を考えるとなると、さらに×30%となりそうです。
創業者がスモールビジネスを立ち上げるのは30歳代が最も多いです。最初の事業承継のとき、創業者は70歳くらいで、後継者は40歳くらいです。二代目から三代目のときも、70歳から40歳という関係は変わりません。この時点で、創業から70年です。三代目が繁盛させたとして、次に引き継ぐのは創業から100年になります。
宮大工などの木造建築、味噌醤油や酒などの醸造業、旅館や割烹など、時代を超えて価値が変わらないビジネスもあります。しかし、たいていのビジネスは時と共に陳腐化して、100年どころか30年続くものも珍しいです。創業者は二代目を、二代目は三代目を後継者ではなく、第二創業者、第三創業者として育てることが大事なんだと思います。
ここまで書いて、お隣の国の三代目さんが気になります。金日成がソ連の後ろ盾を持って北朝鮮のトップになったは1946年です。その後の80年近く、北朝鮮の金(キム)王朝は、二代目の金正日を経て、三代目の金正恩までしっかりと続いています。独裁政権が三代続くのは、世界史でも極めて稀なことです。三代目は、四代目(キム ジュエ)の育成にも真剣に取り組んでいるようです。変な話ですが、ちょっと勉強になります。