最古の「写し四国」秋穂八十八カ所霊場においでませ

山口市秋穂(あいお)に、八十八カ所遍路があります。 

 

四国八十八カ所遍路は、弘法大師・空海の聖跡を巡るものです。空海は讃岐国多度郡、善通寺で生まれたといわれています(諸説あります)。少年期のうちに奈良の都に上っていますが、四国には弘法大師所縁の地とされるところがあります。四国遍路は、今の形のままではないですが、平安時代末期には既に存在していたということです。

 

秋穂八十八か所
秋穂八十八か所

四国八十八カ所遍路をおこなうのは、時間も費用も掛かるうえに、体力的にもなかなか大変です。僧侶はともかく、一般の民衆には容易におこなうことはできません。そこで、各地に「写し四国」といわれるミニ八十八カ所ができました。地元で簡易に霊場巡りをおこなおうというわけです。

 

秋穂八十八カ所は「写し四国」としては国内最古と伝えられています(諸説あります)。天明3年(1783年)、約240年前に遍明院第八世の性海法印(住職)が四国八十八ヶ所を巡拝して、各札所の護符と土砂を秋穂に持ち帰り、秋穂各地に祀り、祈願し、その場所を「秋穂霊場札所」としたのが始まりだそうです。

 

「写し四国」というのは、日本各地にあって大小合わせると、数百カ所にもなるそうです。大きいものでは、美作八十八カ所(津山市を中心に3市4町2村にまたがる)などもありますが、たいていは町や村のなかにあって、1日で回りきれるものです。

 

秋穂八十八カ所は、「写し四国」としては規模がかなり大きいです。順打ちできちんと回ると4日くらいはかかります。山口市のガイドブックでは、乱打ちを推奨していますが、それでも2日で回るのは厳しそうです。あわてず、ゆっくり、秋穂の景色を堪能してもらえればと思います。

 

おいでませ、山口へ!

☞ 山口市観光情報ガイド「秋穂八十八カ所霊場」