日曜日が安息日だったらちょっとしんどい。六齋日はいかが

日本で日曜日が休日と決まったのは明治9年のことです。太政官布告です。

 

また、このときに土曜日午後も休みになっています。実行されたか否かはともかく、結構な先進性です。土日休みを制度化したのは、明治政府のお雇い外国人の意見を参考にしながら、習慣を受け入れたものです。もちろん、当時未開拓だった日本に、キリスト教を広めたかった教会の意向も強かったのだと思います。 

 

関係ないけど「安息角」
関係ないけど粉屋には大事な「安息角」

ここで、少しややこしいのが、当時のキリスト教徒にとって、日曜は休日だからスポーツや演劇などで”精いっぱい楽しもう”というわけではなかったことです。

日曜日は何もしてはならない安息日で、礼拝に行って神様と対峙して、じっと休息をとる大事な日です。元気に走り回ったりしてはいけないのです。

 

また、厳格な教会では、安息日には一切の労働が禁じられます。労働とはお金を稼ぐという意味だけでなく、金銭を扱うあらゆる行為 、家事(炊事・洗濯・調理)をすること、書いたり読んだりすることも含まれます。現代では、新聞を読むのも、スマホをいじるのもダメです。

 

明治の日本では「そんな安息日はいらない」となったので、教会へ行く習慣が根付くことも無く、安息日といった考えも広まりませんでした。ただただのんびりまったり過ごすか、はしゃぎまわってむしろくたびれて終わるか、という日曜日になりました。まぁ、よかったです。

 

仏教には六斎日(ろくさいにち)という安息日に似た習慣があります。旧暦の8日・14日・15日・23日・29日・30日の、一か月に6日です。この6日は、仏教の五戒に三戒を足した八戒を守ります。

 

五戒は、ちょっとマイルドな書き方では「生きものを殺してはいけない」「人のものを盗んではいけない」「邪(よこしま)な男女関係はいけない」「嘘をついてはいけない」「酒に溺れてはいけない」です。これは、いつも守らないといけません。

 

五戒に足される三戒は、「立派な寝具やソファでくつろがない」「化粧や宝石で身を飾らず、音楽や演劇等を楽しまない」「正午から日の出まで固形物を口にしない」です。この3つは、1か月に6日だけは守ります。

最後の「正午から日の出まで固形物を口にしない」は夕食を食べないというプチ断食ですが、今でいうファスティングですね。

 

六齋日は、安息日ほど厳しくないですし、ストレス解消で健康になりそうです。