宇部市では7月1日の大雨でため池からの越水で浸水があったそうです。大きな被害があったわけではないのですが、「ため池ハザードマップ」も確認しましょう。
豪雨の際には、河川の洪水(外水氾濫)はその危険性を比較的認識しやすいです。但し、河川の上流域で線状降水帯が発生した場合など、下流域では雨があまり振らなかったのに氾濫するようなこともあって要注意です。平坦地で降水量に対して排水量が間に合わずに溢れる内水氾濫は、急激に発生するので危険を感知する間がないことも多いです。
日本には15万カ所を超えるため池が存在します。ため池は水資源に恵まれない地域で農業用水を確保するためにつくられます。
日本にあるため池の7割は明治以前、江戸時代までにつくられたものです。その歴史は古く、日本での起源は不明です。古墳の周囲に掘られている水濠も、ため池としての機能を兼ねていたそうです。
15万か所のため池のほぼ半分が瀬戸内地域に分布しています。雨が少なく、大河がないこの地方ではため池は重要です。
山口県には7,700カ所のため池があります。これは、兵庫県・広島県・香川県・岡山県に次いで全国で5番目です。
豪雨があった場合、ため池が越水や決壊すると非常に危険です。ため池の決壊は、住民がその危険性を認識できないまま、突然起こります。住民の多くが、そもそもため池の存在を知らない、あるいは知っていてもその名前もわからないというのが普通です。
日頃の注意をしていないと、思わぬ被害に遭遇するかも知れません。 ため池ハザードマップを確認しておきましょう。
例えば、JR山陽線の宇部駅の周りには6箇所のため池があります。宇部市のため池ハザードマップでは、大迫堤が決壊すると濃い青は50㎝以上、緑は1m以上、黄は2m以上の浸水が予想されています。駅周辺の方でも、大迫堤やその上流の岩の平、東にある開作堤、といったため池の名前を聞いたことがない人が大半でしょう。ちょっと、気をつけましょう。