事業者は、自社サイトからフロンガスを漏らさないように注意してください。
フロンは、主に冷凍冷蔵庫や空調機器の冷媒として使用されます。ヒートポンプ式の洗濯乾燥機などでも使われます。エネルギーを上手に使うためにはとても役に立つものですが、温室効果が大きいので、大気中に漏れると地球温暖化につながります。
日本は2050年にカーボンニュートラルを達成することを世界に約束しています。
その中間目標が、2030年の温室効果ガス（GHG）排出量を基準年である2013年と比較して46%削減するというものです。
確報値が公開されている2021年の実績では、エネルギー起源のCO2は2013年基準で20%削減されています。原子力発電所の稼働率が上がらないなかでは、まずまず計画線に乗っていると言えます。
一方でフロンガスの排出量は2013年から51%も増加しています。温室効果に占める寄与度も2013年には2.8%だったものが2021年は5.1%と無視できない状況です。
業務用として冷凍冷蔵機器、空調機器、冷水器、冷却器、冷凍冷蔵車などを所有あるいは使用している全ての事業者には、フロン排出抑制法に基づいた義務があります。
➀ 点検をする。3ヵ月に1回以上の頻度で簡易点検をおこない、漏れや異常がないかを確認します。圧縮機の動力が7.5kW以上の大型の設備の場合は1年に1回以上の頻度で専門点検を受
けます。
➁ 異常が発見されたら修理する。
③ 点検や修理の記録を（廃棄後も3年間）保管する。
④ フロンが入った設備を廃棄する場合は、第一種フロン類充填回収業者に引き渡します。引取証明書を受領します。事業者は、フロンの回収･再生･破壊に要する費用を負担します。
⑤ 漏えい量が多い（事業者毎の漏えい量が1年間の1000ｔ-CO2以上）の場合は所管大臣宛てに報告する。
この法律には罰則（50万円以下の罰金）があります。
➀ フロンを回収せずの機器を廃棄する等みだりに放出した場合
➁ 機器の使用・廃棄等に関する義務について知事命令に違反した場合
是非、きちんとした管理をお願いします。