フィットネスクラブの多様性。百花繚乱

フィットネスクラブの基本施設をPSG(プール・スタジオ・ジム)と呼んでいました。 

 

実際にはPSG形式のフィットネスジムは稀少です。大型店でもプールが無い(あるいは廃止した)ところもあります。小型店ではスタジオが無いのが一般的です。また、フィットネスジムの本来の定義では、指導員(インストラクター・トレーナー)が配置されているものですが、最近はスタッフが無人とか、オンライン対応とかの店も多いです。

 

ハルテレス
ハルテレス(神戸市立博物館)

宇部市でも新形式のフィットネスジムが増えています。24時間無人で利用できるタイプの店舗もありますし、逆にパーソナルでマンツーマン指導のジムもあります。まさに多様性&競争の時代です。

 

フィットネスという人の身体に直接関わる産業で、デジタル化が最も進んでいるのも皮肉です。

私なぞも、一日中ガーミンウォッチをつけていて、運動情報も身体情報も自動的に管理しています。タニタの体組成計で体脂肪率などもばっちり記録です。また、ジムにも行きますが、スタジオプログラムはオンラインが導入されて幅が広がっています。

 

さて、人類がフィットネスに取り組みはじめた明確な証拠が残っているのは古代ギリシャだそうです。見つかっている最も古い時代のフィットネス用具は、石でできた「ハルテレス」というものです。

これだけでは使い方がよく分らないのですが、2600年ほど前に発掘された杯に描かれている絵によると、ハルテラスは幅跳びのときに両手に持って跳躍するおもりだそうです。もちろん、ウエイトトレーニングにも使われていました。亜鈴(鉄アレイ)の原型です。

 

古代ギリシャ人が身体を鍛えていたのは、主に戦争で戦うためでした。優れた兵士は屈強な肉体を持っているというわけです。それが、平和になったとき(実際は戦争と戦争の合間)には。競技スポーツへと姿を変えていたわけです。

 

ちなみに、ハルテレスを使っていた幅跳び(走り幅跳び)は古代オリンピックの五種競技の一つです。残りの4つは、円盤投げ、やり投げ、スタディオン走(約200m競争)、レスリングです。現在行われている近代五種は、馬術(障害飛越)、フェンシング、射撃(レーザーピストル)、水泳(200m)、中距離走(800m)です。「キング・オブ・スポーツ」です。