1976年(昭和51年)に、山口県岩国市で自動車整備士だった若者が個人で創業しました。
それから20年ほどで、徳山・下関・山口・宇部・下松など山口県内に店舗を増やしていきました。当時の山口県の人にとっては、身近な中古車屋さんでした。1998年にはじめて県外(香川県)に店を開いて、1999年に福岡県、2000年に岡山県に進出、2005年には首都圏へと店舗を増やしました。現在は島根県を除く全国46都道府県に販売店だけで263店舗を展開する日本最大の中古車販売会社になりました。これが、ビッグモーターです。
ビッグモーターの創業社長の謝罪会見がありました。移動中にクルマで聞いていたので、映像は見ていないのですが、まぁ酷い会見でした。火に油を注ぐといいますが、燃え盛る炎にガソリンをぶちまけた印象です。
結論から言えば、社長が謝罪会見というか、謝罪をしたことが失敗です。本人が悪いことをしたとは思っていないのですから、謝罪会見になるはずがありません。
周りからいろいろ言われたのかも知れませんが、創業社長としては完全無視しておくことが最良の方法だったと強く思います。
未公開企業でもあり、これまでもマスコミに登場することの少なかった社長です。社内・社外の関係者やマスコミに何を言われても、「わしゃ知らんけぇ」と知らぬ顔をしておいたほうがよかったですね。会見の浮世離れした印象からは、有り余るお金を使って遊び歩いていて、実際に何も知らなかった可能性すらありそうです。
国土交通省が調査に入るのが謝罪会見をした最大の動機でしょうが、行政機関としては従業員6000人、関連含めると数万人の会社をそう簡単に潰すわけにもいかないでしょう。しかも、日常的に膨大な数の不正があったとしても1件1件は少額ですから、全てを調べる能力が国土交通省の担当部局にあるとも思えません。
企業がおこなった謝罪会見で、うまくいった事例というのは少ないように思います。謝罪会見コンサルの日本最大手は電通系だと思いますが、その電通の謝罪会見も盛大に火に油を注いでいました。電通も学んだので、五輪談合など最近の案件では謝罪会見なんかしません。