売上高7000億円、従業員6000人の文字通りBIGなMOTOR会社で、数々の不正があったことが表面化しています。
主な不正の内容は、修理に持ち込まれた車両を故意に傷つけて、損保会社に水増し請求をおこなったというものです。損保会社のほうも、薄々に気付いていたところに内部告発がありました。そこで、損保会社が働きかけて特別調査をおこなったところ、同種の不正行為があちこちで繰り返して、行われていることがわかりました。
修理作業における不正を調査する過程で、会社のパワハラ体質というより、はっきりした労働基準法違反を繰り返している実態が明らかになってきました。
素朴な疑問は、これだけの大会社なのに労働組合が無いのだろうか?ということです。
私の勤めていた会社は、歴史のある化学会社なので、同盟系と総評系の二つの労働組合があります。
日本国憲法第二十八条に、「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。」とあります。
いわゆる労働三権、団結権・団体交渉権・団体行動権(争議権・スト権)は憲法で保証されています。労働者はごく少人数でも労働組合をつくることができます。経営者と対等な立場で交渉したり、戦うこともできます。
一方で、経営者側にとっても労働組合の存在は大きなメリットがあります。従業員の過半数を占める労働組合があるなら、この組合との交渉によって、労使の意見の相違を解消することもできます。言い方は悪いですが、労働組合の存在は何かと便利です。
労働組合の組織率が低下しています。厚労省の令和4年労働組合基礎調査によると、2022年6月現在、雇用者数6048万人に対して労働組合員999.2万人で組織率16.5%です。前年度より0.4ポイント下がって過去最低です。但し、従業員1000人以上の民間企業に限れば、まだ組織率39.6%はあります。
改めて労働組合の必要性を強く感じます。本来は立民や国民が声をあげるべきでしょうが、このところ元気がありません。
ここは労組員の7割を占める連合との関係も良好になっている与党自民党が、労働組合の設立と組織率維持を政策に掲げてはどうかと思います。「グループ雇用1000人以上の企業には労働組合があることを必須とし、100人以上の企業には労働組合をつくることを強く推奨したい」なんて岸田さんが言い出したら、支持率爆上がりで総選挙圧勝は間違いないかと思いますが、いかがでしょうか。