”コクヨが「ダブルクリップ」を進化させたらこうなった!あの煩わしさがスッキリ解決するとは…”という記事がありました。
これはとても有名な話なのですが、ペーパークリップでは、毎年毎年数多の新商品が発明され、開発され、販売され続けています。しかし、ペーパークリップという商品では、19世紀から販売されているゼムクリップを超えるものは、未だに誕生していないと言われます。「ゼムクリップから技術の世界が見える(ペトロスキー著・朝日新聞社)」
ゼムクリップがいつ頃の発明なのかはわからないそうです。
ゼム(gem)という呼称はこのクリップの販売で成功したイギリスのクシュマン&デニソン社が1892年より使用したブランド名に由来しています。また、1899年にアメリカのウィリアム・ミドルブルックが、ゼムクリップを大量生産する機械の特許を取得しています。
つまり、ゼムクリップは19世紀後半、日本では明治20年代には既に存在していました。
ゼムクリップはシンプルな故にいくつかの欠点があります。
➀ 一方向にしか使えない。
➁ さっとはまらない。
③ きちんと留まるとは限らない。
④ 紙を破ることがある。
⑤ 枚数が多いと把持できない。
⑥ 書類がかさばる。
これらの欠点を克服する改良品が100年以上の間に、数知れず提案されて特許権が取得されています。
どの改良品でも、全ての欠点を克服できず、且つ新たな欠点を生んでしまったようです。この結果、未だにゼムクリップの牙城は完全には崩せていないということです。