宇部市のプロバスケチーム、山口パッツファイブに改称。

「山口ペイトリオッツ」は、2023年7月1日より「山口パッツファイブ」にクラブ名を改称することとなりました。

 

「山口ペイトリオッツ」は、宇部市をホームタウンとするB3リーグに所属するバスケットボールチームです。Bリーグ参入を目指していますが、クラブライセンス交付規則でクラブ名の商標登録が必要です。NFLチームと同じ「ペイトリオッツ」という名称では商標登録できないためクラブ名を改称することになりました。

 

山口ペイトリオッツ
山口ペイトリオッツ

新クラブ名称「パッツファイブ」は、「ペイトリオッツ」の略称である「パッツ」を名称に残し、江戸時代末期に海外に渡航し時代をも変える大きな挑戦をした「長州ファイブ」のスピリッツと5人制であるバスケットボールの「ファイブ」を一丸となって挑むチームを体現する意味を込めて加えました。

【以上、クラブのwebサイトから転用】

 

ペイトリオッツはフットボールチームの名前として有名です。ペイトリオッツの単数形、パトリオットはミサイルの名前として有名になりました。愛国者(たち)という意味です。幕末・明治維新の志士たちを、英語ではペイトリオッツ(patriots)というのですね。

 

日本では愛国者というとちょっとネガティブなイメージがあります。この愛国者あるいは愛国主義は、実は歴史が浅くて、近世になってつくられた概念のようです。

 

古代においては、都市と都市、集落と集落で、土地とか資源とかを巡っての争いがありました。中国などの多民族国家では覇権を争っての民族間の闘争もありました。中世以降は、領土を巡る侵略戦争が各地で何度も起こりました。しかし、これらの戦いに参加する兵士が愛国者として自己を犠牲にして戦ったというわけではなさそうです。「国」の内にもいろいろな集団があり、単一のものにはなっていなかったのです。

 

愛国者という概念は、18世紀の終わりアメリカ建国のときに作られたようです。

アメリカ大陸に渡ってきた人たちにはキリスト教徒が多く、神を信仰していました。フランスとイギリスから、独立したアメリカを建国しようとしたワシントンなど建国の父たちは、政治と宗教を分離する憲法をつくり、神ではなく国を愛することを説いたわけです。愛国者=アメリカ人という概念で、これが広く定着していきました。

 

14代リンカーン大統領は「人民の人民による人民のための政治」と言いました。綺麗な言葉ですが、人民は愛国者として、人民のために犠牲を払って戦うことによって、はじめて国民(アメリカ国民)となるという意味でもあるようです。

考えてみると「国を愛する」というのも変な感じがしてきました。