失敗を見える化する損益計算書の修正作業

失敗は成功の母と言いますが、失敗に気づかず繰り返す人も多いです。

 

中小企業の経営診断をする場合に、実際の損益計算書に失敗価値を加算して、本来目標としていた損益計算書に書き直す作業をすることがあります。経営の失敗を見える化することで、失敗を繰り返さず、成功のきっかけにします。

 

トマス・エジソン
トマス・エジソン

売上高  100万円

売上原価  50万円

販管費  (60万円)  

人件費   30万円

営業費   15万円

店経費   15万円

損失   ▲10万円

の損益計算書があったとします。これだけみると、かなり絶望的です。

 

そこで、売上高の失敗価値を検討します。

お客さんが来店したけれど希望の商品が無かった(5万円)、競合店のほうが安かったのでお客さんがそちらに行った(5万円)ということがありました。これだけで、売上高では合計10万円の失敗価値です。

 

売上原価の失敗価値は、競合店で買われた商品(原価2.5万円)はもう売れないので、1.5万円(▲1万円)で転売しました。この他にも売れ残りによる陳腐化で2万円のロスを計上しました。競合店が安かった理由を調べると、約5%(2万円分)も仕入価格の安い調達先があることがわかりました。

 

以下、省略ですが人件費も勤務時間をきちんと管理すれば3万円は余分でした。営業費も2万円、経費も1万円はムダがありました。

 

売上高  100+10=110万円

売上原価  50-5 =45万円

販管費   60-6 =54万円

利益   11万円(利益率 10%)

の損益計算書になりました。これなら、希望が持てます。