山口県は故安倍晋三総理をはじめとして8名の総理大臣を輩出していることもあって、保守王国とされています。
ちなみに、日本の歴代総理大臣で、在職日数が最も長いのが安倍晋三。2位が桂太郎、3位が佐藤栄作、4位が伊藤博文(5位は吉田茂)ですから、1~4位は山口県出身の方です。
直近の参院選での山口県の党派別得票率では、自民党が48.88%で全国1位・公明党14.14%
で全国8位、自公合わせた与党支持は63.02%と、2位の熊本県58.26%を大きく引き離しての圧倒的1位でした。
尚、与党支持率が高かったのは、3位佐賀県、以下10位まで、愛媛県、秋田県、広島県、長崎県、鹿児島県、島根県、岡山県と続きます。
一方で、与党支持率が最も低いのは、日本維新の会が38.76%の支持を集める大阪府です。2位が京都府で、以下10位まで、兵庫県、東京都、沖縄県、滋賀県、奈良県、神奈川県、長野県、愛知県でした。
そうは言っても、山口県の人すべてが保守というわけではありません。
先に山口県出身の総理大臣は8名と言いましたが、民主党政権の菅直人総理は生まれてから高校2年まで宇部市で育っています。選挙区は東京ですが山口県出身といって差し支えありません。(安倍総理は山口県が選挙区ですが、東京生まれの東京育ちです。現在の岸田総理も広島県に住んだことはないようです。)
さらに、山口県からは日本共産党の宮本顕治元議長も出ています。
宮本顕治は、明治41年に今の山口県光市の肥料米穀商の長男として生まれています。旧制徳山中学(今の徳山高校)から旧制松山高校(今の愛媛大学)を経て、東京帝大経済学部を卒業しました。
大学卒業後の昭和6年に共産党に入党し、早くも2年後には中央委員に昇格します。その直後、共産党スパイ査問事件(同僚の中央委員に対するリンチ事件)に関与したこともあり、昭和9年に収監されて12年間の獄中生活を送ります。
戦後になって復権した宮本は昭和30年代から40年代の日本共産党をトップとして指導し、昭和50年代には参議院議員として国政に関わります。宮本は、88歳まで共産党の議長の座に座り続けますが、ついに不破哲三によって引導を渡され引退しました。