NHKの朝ドラは「らんまん」で、モデルが植物学者の牧野富太郎博士だそうです。残念ながら、朝ドラを観る習慣はありません。
主人公の牧野富太郎(ドラマでは槙野万太郎)は神木隆之介、妻となる小澤壽衛(ドラマでは西村寿恵子)は浜辺美波が演じているそうです。牧野富太郎は文久2年4月24日生まれですが、新暦では1862年5月22日になり、昨日が誕生日に当たるそうです。しかし、一般には4月24日を牧野博士生誕として「植物学の日」になっています。但し、誰がいつ決めたのかはわかりません。
牧野富太郎は土佐国(高知県)の中西部にある佐川という村の生まれです。
小さな頃から植物に興味を持って、独学で採集・写生・観察をしていました。22歳で上京して研鑽を積んで、植物分類学の権威となりました。
残した標本や観察記録は50万点に上り、命名した植物は1500を数えます。牧野が命名した植物で最も有名なのが、妻の名前に由来する「スエコザサ」です。スエコザサは宮城県から青森県にかけて自生している背丈の低い常緑の笹で、アズマザサの変種だそうです。
高知市街を一望できる五台山には、牧野富太郎の偉業を記念した高知県立牧野植物園があります。20年近く前に一度行ったことがあるのですが。Webサイトをみると、その後数次に渡る拡張整備がされているようです。機会があれば再訪したいと思います。
この植物園内に牧野記念館(牧野文庫)があるのですが、牧野が収集した書物や文献の膨大さに驚かされるそうです。
牧野は、高知の村の小学校中退でありながら、多数の学術論文を執筆し、東京帝大で46年間も教え、理学博士を受けています。その論文の多くは英文で書かれていますし、多くの海外の論文を引用しています。牧野の蔵書には、江戸から明治・大正期にかけて発行された、今ではとても手に入らない貴重な英語の辞典が多数含まれているそうです。