事業拡大は川上型のほうが成功しやすいか?

事業拡大の方向は川下型(メーカーが小売するような型)と川上型(小売りが自ら生産するような型)のどちらが成功するでしょうか?

 

一時期にとても多かった六次産業化は、農業者=1次産業が、農産品を自ら加工して製造者=2次産業となり、その農産加工品の販売者=3次産業にもなるというものです。1+2+3=6次産業というわけです。成功した6次産業の事例はたくさん公開されていますが、公開されない失敗事例も多くあるます。

 

川上~川下
川上~川下

6次産業化は農業者や漁業者が自ら商品開発をして販売までしようというわけですから、やはり難易度がかなり高いです。

 

一般の川下型の拡大は、農家が漬物をつくって、販売は業者に任せるといった(1+2)次産業化や、問屋が自ら生産部門を持つような(3+2)次産業化の事例が多いです。

 

地方で、高品質で知名度のある優良な商品を取り扱っている問屋があります。営業努力を積み重ねて、全国から注文が集まっています。しかし、この商品をつくっているメーカーは人手不足もあって増産ができません。結果として問屋には機会損失が発生しています。

 

こういう場合に、問屋が自らメーカーとなって製造を担うというケースはかなり多いと思います。特に商品の販路が国境を超えて広がりそうなときではなおさらです。顧客=消費者に対して素早い対応が求められるほど、問屋が自ら製造するメリットは大きいです。

 

印象として、1+2(1次産業従事者が製造をおこなう)や2+3(問屋が消費者向け小売りをおこなう)のようは川下型より、3+2(問屋がメーカーになる)や2+1(メーカーが農漁業に参入する)の川上型のほうが成功確率が高いような印象(個人の印象)です。

 

要するに、どんなに優れた商品でも、生産するだけででは在庫の山をつくるだけになります。販売する力量がなければならないわけで、生産者と消費者を結び付けていた3次産業の事業者がサプライチェーンをさかのぼるほうがうまくいきやすいのかも知れません。