ニュースで、「アメリカ・テキサス州ディミット市の南東11マイルにあるサウスフォーク酪農場で爆発が発生 メタンガスに引火し1万8千頭の牛が焼死」とありました。
かなりビックリするニュースです。日本最大の畜産会社は瑞穂農場ですが、webサイトには飼育頭数31,662頭とあります。瑞穂農場は全国に複数の農場を経営して3万頭余りで、1カ所の農場の最大飼育頭数は約8千頭のようです。そもそも日本全体でも牛の飼育頭数は135万頭ほどなので、さすがアメリカです。規模が桁違いです。
グーグルアースでテキサス州を検索して、ディミット市を探すと、砂漠の中に人口の円形農場が数多見えます。
さらに南東11マイルにサウスフォーク農場を探すと、いくつかある巨大酪農場の一つでした。周りの酪農場と比べると必ずしも大きいことは無く、施設は近代的な印象です。
拡大してみると、たくさんの牛が放牧されている様子が見えます。
ほとんどアリさんのようです。いや~凄いですね。
今回の爆発については詳しい状況はわかりません。
アメリカは畜産大国で特に牛の飼育が多いことで知られています。牛は消化の段階で多量のメタンをゲップとして口から放出し、糞尿由来で少量の亜酸化窒素を放出します。
メタンと亜酸化窒素は二酸化炭素より桁違いの温室効果があります。二酸化炭素を1としたときの温室効果の度合いを地球温暖化係数(GWP)といいますが、メタンは25で亜酸化窒素は298です。
アメリカのGHG排出量全体の10.9%がメタン、7.1%が亜酸化窒素です。日本ではそれぞれ2.5%と1.7%なので、随分と違います。アメリカではGHG排出量の削減に向けて、畜産業から排出されるメタンや亜酸化窒素の活用を進めています。
爆発事故を起こした農場がどうだったのか? また爆発の原因になっていたのかは不明ですが、牛の糞尿由来のメタンを使った発電や、堆肥化などをおこなっていたのかも知れません。エネルギー回収には危険もともない、安全対策は慎重に進めないといけないということも忘れてはいけません。