さくらに日本を投影するのはムリだな

「さいた さいた さくらが さいた」とはいかないようです。

 

当地でも、昭和の昔には、桜は4月の入学式頃に満開になるものでした。年々桜の開花は早くなり、既に咲き誇りはじめています。入学式までには大方散ってしまいそうです。平成の桜ソング(森山直太朗のさくらやコブクロのさくらなど)では、桜は卒業、旅立ちの花として歌われています。

 

桜花
桜花

さて、桜が日本を代表する花であることは間違いありません。法律で定められていなくても、日本の国花といえそうです。

ところが、国花といえば秋に咲く菊も有力な候補です。まぁ、別に一つに絞らなければならないわけではないので、桜と菊の両方が日本の国花でもよさそうです。

 

ただ、桜と菊の花ではイメージがずいぶん違います。明るい色合いで陽性な印象にも関わらず、はらはらと儚く散る桜。重厚な色合いで落ち着いて静謐な菊。二つの国花にはイメージの重なりがあまりありません。

 

世界では、法律で国花を正式に決めている国もあります。中国は牡丹(ボタン)、台湾は梅を国花を決めています。

正式に国花と定めていなくても、国民を象徴・統合する花として広く内外に知られている花もあります。アジアでは、韓国はむくげ、北朝鮮は大山蓮華(レンゲ)、マレーシアはハイビスカス、インドは水連(スイレン) 、インドネシアは茉莉花(ジャスミン)です、

ヨーロッパでは、イギリスは薔薇(ばら)、フランスはマーガレット、オランダはチューリップ、スペインはカーネーションなどが国花に相当するようです。

ロシアとウクライナの国花はどちらも向日葵(ヒマワリ)です。

 

こうしてみると、国花がその国の性格やイメージを表すというのも半々な感じです。

中国の牡丹は富貴な王者のイメージがありますが、今の習近平さんの中国は必ずしも大国としてどっしり構える雰囲気はありません。プーチンさんのロシアも向日葵の元気で明るいイメージとはかなりの乖離があります。その他の国も、ちょっとずつ印象が変わってきました。

 

それはさておき、桜がいよいよ満開に近づきます。続いて、つつじの季節もやってきます。

花の季節をしっかり楽しんで、正念場の夏に挑みたいと思います。