WBCの準決勝で、侍ジャパンはメキシコに劇的なサヨナラ勝ちを飾りました。
祝日の午前8時からの試合でしたし、当地も含めて日本中が雨模様だったこともあり、多くの日本人がテレビに釘付けになっていたと思われます。両軍ともに素晴らしいプレーの連続で、見どころもたくさんあったうえに、選手たちが激しく・楽しく・活き活きとプレーしている姿が素晴らしいですね。
今大会の侍ジャパンの中心には、ダルビッシュと大谷翔平という2人の第一級のメジャーリーガーがいます。 ヌートバーというアメリカ生まれの日系メジャーリーガーも強い印象を与えています。
ヌートバー選手が持ち込んだペッパーミルパフォーマンスが、日本チーム内で流行してお約束になっています。台所用品店では、これまでほとんど売れることがなかったプロ用の木製ペッパーミルが爆売れだそうです。
一方で、センバツ高校野球で塁に出た選手がペッパーミルパフォーマンスを行って審判から注意を受けたことが話題になっています。
高野連は「高校野球としては、不要なパフォーマンスやジェスチャーは、従来より慎むようお願いしてきました。試合を楽しみたいという選手の気持ちは理解できますが、プレーで楽しんでほしいというのが当連盟の考え方です」という実に頓珍漢なコメントを出しました。
センバツ高校野球は「野球」で、WBCは「ベースボール」という違いがあるようです。
日本の「野球」は学校教育の延長線上にあり、世界の「ベースボール」はメジャーリーグを頂点としたスポーツです。スポーツの意味は、遊び・楽しみ・気晴らしという意味で、教育や修行ではないのです。
各国にWBC選手のパフォーマンスや、チーム間の交流をみていると、野球ではない、ベースボールの素晴らしさを実感します。
昨年は日本への野球=ベースボール伝来150年でした。正岡子規が名付けたせいではないでしょうが、日本でベースボールは野球に変質して、ついに武道のように野球道に昇華されていました。今回のWBCが、日本の野球道が本来のベースボールに戻っていく里程になるといいなぁと思います。