帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)に違いがあって戸惑っています。
事業者が取引先の与信管理や信用調査をするとき、TDBとTSRのどちらかを使う場合が多いと思います。なにしろ、日本の信用調査シェアの80%以上をこの2社で占めています。この2社にはたいした違いが無いように感じています。さて、事業承継・引継ぎに関する資料つくりのために、中小企業の休廃業・解散について調べていたら随分と印象が異なりました。
TDBの全国企業「休廃業・解散」動向調査では、2022年は5万3426件、3年連続減少とあり、休廃業・解散件数が減少しているという報告です。
コロナ対応融資によって資金調達が容易になり、政府や金融機関などの伴走支援の充実で休廃業・解散マインドにブレーキがかかっているという解説です。
一方のTSRの2022年の「休廃業・解散」企業は4万9,625件(前年比11.8%増)で2020年の4万9,698件にほぼ並ぶ過去2番目の高水準とあります。
2021年の休廃業・解散は、充実したコロナ関連支援策によって一時的に減少したもので、2022年は支援策が希薄化した。先行きの見通しが厳しい事業者が市場退出を決断しているという解説です。
どちらの解説も腑に落ちるのですが、日本の2大信用調査会社のレポートの違いなので、どう理解していいのでしょうか?