人手不足で採用募集をしているという会社が増えているように感じます。
人材募集の仕方、特に求人票に書いた内容の添削を頼まれることがあります。会社の強みを具体的にアピールしたうえで、よい雰囲気の会社で、仕事も楽しいので、是非入社してくださいというわけです。求人票に嘘は書いてはいけません。しかし、多少のお化粧はしますし、ネガティブな情報を書かないだけでも、求職者に少しの誤解をさせているかも知れません。
ここで考えないといけないのが、人手不足の原因です。
事業拡大によって、仕事が増えたので人手不足になったのなら、これはよいことです。しかし、仕事をしてくれていた従業員が辞めたので人手不足になったのなら、その理由によっては違う対応が必要です。
離職には、高齢になったので退職したとか、病気や家庭の事情などやむを得ないケースもあるでしょう。しかし、仕事が面白くない・きつい・しんどい、人間関係がよくない、給料が安い、作業環境が悪いといった理由であれば放置はできません。
新たに求人をして採用しても、またすぐに辞めてしまえば、いつまでたっても人手不足が解消されません。
令和3年の年齢階級別入職率・離職率のグラフです。
男性では、344万8千人が入職し、350万6千人が離職しました。女性は375万3千人が入職し、366万7千人が離職しています。男性は離職超過で、女性は入職超過です。
入職は新卒など25歳までの人が多く、離職は定年退職など60歳以上の人が多くなります。女性は25~35歳で僅かに離職超過ですが、35~60歳までは目立った離職超過はありません。一方で、男性は25歳以降はずっと離職超過です。
人手不足の原因が離職にあるなら、働き手に長く働いてもらえるように、会社の経営を安定させ、労働環境を整えることが大事です。もちろん、事業拡大にあるなら、採用を考えますが、機械化・自動化や外部化という選択肢もあります。