トルコの東アナトリア断層を震源とする地震があったことから、山口県の断層型地震について改めて確認してみます。実は、中国地方で断層帯の集中しているのが山口県です。つまり、山口県でも大きな内陸型地震の起こる可能性は決して低くはなく、被害の規模も侮れないことがわかります。
文部科学省の地震調査研究推進本部のwebサイトから資料を転載します。
右の図にあるように、山口県にかかる断層帯では菊川断層帯・周防灘断層帯・弥栄断層帯・安芸灘断層帯の4つが、赤く表示されたSランクに指定されています。
Sランクは、30年以内の地震発生確率が3%以上を意味します。しかも、弥栄断層帯はマグネチュード(M)7.7、菊川と周防灘はM7.6と地震の規模が大きく、安芸灘断層帯はM7.2ですが人口の多い地域です。
地震の確率が高いのは、これまで地震被害がなかったことの裏返しです。地震は断層のひずみが限界に達したときに起こるわけで、地震が起こっていないのはひずみを蓄えている時期という意味です。
菊川断層帯を例にとると、平均的な活動間隔が4100年から5900年と推定されており、最新の活動期が3300年から5900年前ということです。地震後経過率は0.7~1.3(1.0)となります。
つまり、菊川断層帯には大地震を起こすだけのエネルギーが既に地下にたまっていると推定されます。もちろん、今すぐに大地震が起こるかも知れませんが、2600年以上後(5900-3300)なのかも知れません。
宇部市に近い周防灘断層帯のほうはもっと困ることに、平均的な活動周期が5800~7500年と推定されているのですが、最新の活動は10000~11000年前に遡ります。つまり、このところの数千年間に地震がなかったのが異例というわけです。
山口県の事業者はBCPをつくるときには、参考にしておきたいことです。