宝くじを1回に100枚買うのと、新型コロナの感染予防にマスクをつけることはちょっと似ています。
宝くじ1等の当選確率は2000万分の1です。簡単に言えば、当たることは無いです。その宝くじを1度に10枚とか100枚とか買う人がいます。なかには、グループで1000枚買うといった人たちもあります。1000枚(30万円)買っても2万分の1です。言い方を少し変えると、2万年に1回の割合で当たるということです。当たる心配は無用です。
宝くじを賞金が当たる楽しみとか、ワクワクを感じるために買うのであれば、1枚だけ買うのがお奨めです。
社会貢献のために買うという人もいるかもしれませんが、それなら信頼できる先に直接寄付したほうが税金の控除などにもなってよろしいかと思います。
一方の新型コロナのマスク着用です。ウイルス感染の流行に対して、健康な人のマスク着用が効果が無いことは実験室での科学的に厳密な調査でも、ここまで3年余りの日本人1億2千万人を使った壮大な社会実験でも確認されています。マスクをする必要があるのは、新型コロナウイルスに感染して、咳などの風邪様の症状を出している人だけです。
一般に使われるマスクの網目の幅はウイルスの大きさの数百倍から千倍もありますから、呼気中のウイルスを止めることはできません。専門機関で使用する医療用マスクであっても大同小異です。
そこで、マスクをつけさせたい人たちが考えたのが、コロナの感染ルートとして飛沫感染が大きな割合を示している。スーパーコンピューターでシミュレーションするとマスクが飛沫の吸い込みを予防するという複数のデータの利用です。
東大の報告では、布マスクを着用することでウイルスの吸い込み量がマスクなしと比べて60-80%に抑えられ、N95マスクを密着して使用することで10-20%まで抑えられるとあって、よく引用されます。
このデータをみて、マスクをすると20-40%の感染予防効果があると誤解している人が多いようです。例えば、人が吸う空気中にある1万個のウイルスが、20-40%減って6千個とか8千個に減ったとしても、感染することには違いがありません。千個でも2千個でも同じです。PCR検査のCt値を1~3下げることはできても、陽性になる人を減らす効果はマスクには無かったわけです。
ちなみに、PCRのカットオフCt値は最初の頃は40と言われていましたが、最近は35とか37になっているようです。また、抗原検査で陽性になるのはCt値が25くらいより下ということです。一体何を測って、陽性とか陰性とか言っているのか、3年経ってもよくわかりません。
それでも20ー40%の効果があるじゃないかという人は、宝くじを千枚買ったら当たる確率が千倍になるのは当然じゃないかというのと同じ誤解をしているような気がします。
【厚生労働省:2023年5月10日】
令和5年3月13日以降のマスク着用の考え方について
<お知らせ> 令和5年3月13日以降、個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねることになります。
本人の意思に反してマスクの着脱を強いることがないよう、個人の主体的な判断が尊重されるよう、ご配慮をお願いします。