ガソリンスタンド過疎地が増えている。山口県和木町なゼロ、阿武町は1か所。
日本のガソリンスタンドは1994年に最多となり60,421箇所だったものが、2021年末には29,005箇所になっています。半分以下に減っています。日本の人口で割れば、4300人当り1か所のスタンドがある計算になります。数えてみると、宇部市(人口約16万人)にはガソリンスタンドが28箇所ほどあるようなので、平均的な数のようです。
移動経路上にあるガソリンスタンドで給油するのが普通だと思います。しかしガソリンスタンドの数が減ったので、ときには経路を変えて給油に行くことがでてきました。
ガソリンスタンドの数が減ったのは、ガソリン自動車の燃費がよくなったり、ハイブリッドカーや電気自動車が普及して、ガソリンの使用量が減ったからだろうと思っていましたが、そうでもなさそうです。
1994年のガソリン使用量は5036万kLでした。ガソリン使用量はその後はまだ増えていて、2004年の6323万kLでピークとなってから減ってきました。
2021年のガソリン使用量は4451万kLなので、ピークからは30%減っていますが、1994年と比較すると12%しか違いません。ちょっと意外でした。さらに、トラックやバスなどで使う軽油使用量は、コロナ禍の影響などを排除すれば、ほぼ横ばいで推移しています。
つまり、ガソリンスタンドが減っているのは、足下の需要が減っていることに加えて、これから減っていくというトレンドが大きな要因のようです。また、スタンドのセルフ化や大型化によって、大手スタンドが有利になって中小スタンドが淘汰されてきたようです。
ところで、ガソリンの値段には道路維持のための税金(ガソリン税)が含まれます。ガソリンの消費が減ればガソリン税の税収が減ります。ピークには年間2.75兆円あったガソリン税は、現在では2.0兆円まで7000億円以上減っています。
電気自動車だって道路を傷めるというか、むしろ車重の大きい電気自動車のほうが道路へのダメージが大きいはずです。ガソリン税に代わる財源が必要になります。
ドイツでは車種を問わず走行距離に応じた税金をかけることをしているそうです。GPSで走行距離を計算するということですが、プライバシーが国(税務当局)に知られてしまうので抵抗があるということです。
日本には車検制度があるので、その際に走行距離に応じて課金するようなことが考えらえますが、反対が多いでしょうね。