【朝日ネット】高速道路の老朽化対策費を確保するため、国土交通省は、利用者からの料金の徴収期限を最長50年延長して2115年までとする方針を固めた。
よく知らなかったのですが、元々2065年までは有料だったんですね? 報道によると、政府が2005年の道路公団民営化に際して、借金40兆円を2050年までに返済して無料にするとしていたのが、11年前の中央道笹子トンネルで起きた天井版崩落事故をきっかけに老朽化対策費として徴収期限を2050年から2065年に延長していたそうです。
国土交通省の方針ですが、高速道路の利用促進をすることに、より大きな利益があるような気がします。
一つがカーボンニュートラルへの貢献です。日本国内の貨物輸送の50%強はトラック輸送です。(45%弱が内海航路で、5%弱が鉄道です。)
トラックのトンキロ当りの温室効果ガス排出量は、一般国道と比べて高速道路は2/3になります。トラック輸送原価に占める高速道路料金の割合はおよそ15%です。荷主から価格面で厳しい要求をされるため、高速道路を回避して一般道を走る大型トラックも多いです。
もう一つが自動運転への貢献です。自動運転は一般車でも可能ですが、あまりメリットはありません。自動車が人を運ぶのだから、その人が楽に運転できればよいのです。
しかし、トラックの場合は運転手の2024年問題が間近に迫っています。運転手不足解消の切り札が自動運転(無人運転あるいは連携運転)の導入です。しかし、現実的には一般道の自動運転は容易ではなく、高速道路からの導入になるでしょう。
まぁ、2065年でも随分と先のことだったので、50年伸びてもあまり実害はありません。しかし、新型コロナ対策費が77兆円というのと、何だかバランスが取れないようには思います。