中国のぬぐい切れない問題として、都市と農村の格差と戸籍問題が言われます。
中国では都市で生まれた人は「都市戸籍」、農村で生まれた人は「農村戸籍」になります。基本的にこの戸籍は固定されていて、収入・教育・医療などあらゆる分野で格差があります。新型コロナ禍においても、都市と農村の医療格差が大きく報道されました。
都市戸籍と農村戸籍の人数割合は3:7くらいだそうです。ゼロコロナ政策の失敗によって、医療インフラの乏しい農村部にダメージが大きいと言われます。
人数の多い農村戸籍の人の不満が高まりそうなもんですが、実際にはそんなことは起こっていないようです。歴代の中国共産党政権はうまく舵取りできているようです。
また、戸籍制度の緩和も進んできており、相対的には分断を解消する方向に向かっています。
一方のアメリカですが、都市と地方の格差と分断が深刻になっています。
昨年の中間選挙で、上院は買電大統領の民主党が1議席増やして過半数(選挙前は50:50の同数だった)を取りました。しかし、下院は共和党が222対213(改選前は212対220)と過半数を奪取したので、いわゆるねじれ状態となりました。
今回に限らず選挙結果は地域差を明確に表します。大都市が集中する東西海岸地域は民主党を支持し、中部・南部の地方は共和党支持者が多くなっています。グローバル化で豊かになった都市部と、取り残された地方部の格差が分断を呼ぶという構造です。2016年に誕生した共和党のトランプ大統領が、分断をさらに煽っていると言われています。
20年前2002年の中間選挙と、40年前の1982年の中間選挙の下院の勢力図をWikipediaから貼り付けました。自由の国アメリカの問題を示しているように思います。