【ロイター】日銀が5日に発表した2022年12月のマネタリーベースの平均残高は、前年比6.1%減の617兆2224億円となった。
12月のマネタリーベースの内訳は、日銀当預が8.1%減の489兆5078億円。紙幣は2.7%増の122兆8614億円。貨幣は4.2%減の4兆8532億円、現金両替時の手数料徴収が広がり、過去最大の減少率が続いている。
日銀当座預金は2022年4月の562兆円から72兆円も減少して490兆円を切ったわけです。
なかなかに急激な変化ですが、大きな要素はコロナオペ(新型コロナウイルス感染症対応金融支援特別オペ)の縮小です。4月には81兆円あったものが12月には10兆円に減っています。
新型コロナの影響による資金繰り不安は全体で見ればリーマンショックほどではなかったようです。ゼロゼロ融資も総額42兆円ほどにとどまり、個別にはいろいろあるのですが、大枠では一定の目処がついてきました。
ただ、これまで一本調子で増えていたマネタリーベースがマイナスに転じ、10年国債の金利も0.5%を超えてきました。住宅ローン金利も上昇する様子が見えてきていますし、為替も円高へと動いてきました。今後の景気の動向には注意が必要ですね。