監査は、明確な基準と懐疑心を持っておこなう

監査と審査。似た言葉ですが、どんな違いがあるでしょうか?

 

法律用語では、監査「事務・業務の執行又は財産の状況の正否を調べるために行う検査」とあります。さらに検査「何らかの基準に照らして調べること」とあるので、監査は「何らかの基準に照らして事務・業務の執行又は財産の状況の正否を調べること」と言い換えてもよさそうです。一方で、審査は「行政庁が一定の事柄について結論を得るために、その内容をよく調査すること」とあります。(有斐閣 法律用語辞典)

 

審査
審査

つまり、監査とは、企業の業務や成果物が基準に達しているか、ルールや法に反していないか等、明確に定められた基準に従って評価を行うこと。明確に定められた基準があるので、誰が監査をしたとしても結果は同じになります(なるはず)。

 

審査とは、明確な基準は無く、評価する人によって結果が変わる可能性のある評価のこと。人やモノに優劣をつけるもので、審査する人によって基準が異なるうえに、明確に定められた基準ではないので、結果がときどきにも異なります。

 

また、監査では「監査基準」の第二3に「監査人は,職業的専門家としての正当な注意を払い,懐疑心を保持して監査を行わなければならない」とあるように、監査対象を疑いの目を通して調査することが求められています。

企業や組織ではしばしば「監査」がおこなわれます。内部監査(第一者監査)であっても、明確な基準と懐疑心を保持して調べることが大切です。