干支の動物からの連想で、子年は変化の年、丑年は我慢の年、寅年に飛躍し、卯年は平穏に、辰年に再び飛翔し、巳年に脱皮・・・・なんて言います。しかし、2022年の日本は飛躍の寅年とはならなかったようです。コロナコロナと引きずり続けるなか、ロシアがウクライナへと侵攻し、安倍元首相が暴漢に殺害され、突然に統一教会が問題視され、為替の変動、エネルギー価格高騰、閣僚の相次ぐ辞任・・・。2023年の卯年も平穏とはいかない予感です。
戦後の卯年を振り返ります。
前回の卯年は2011年でした。
3月11日に、日本人の多くにとって忘れることのできない東日本大震災が起こりました。それ以降の10か月は暗くて辛い日々でした。
津波による大きな被害に加えて、福島第一原子力発電所が被災して放射能汚染が広がりました。この事故をきっかけにしおこなわれた唐突なエネルギー転換は、これからも日本国民に深刻な影響を与え続けます。
その前は世紀末を目前にした1999年です。
ノストラダムスが、人類は7月に滅亡すると預言していたそうですが何も起きませんでした。その後の気になる一致ですが、9月に東海村で臨界事故が起こり、被爆による死者が出ました。
1987年はバブル時代の幕開けの年です。
携帯電話が普及し始め、円高が進み1ドル120円、株価も上昇して一時は2万5千円を超えました。4月に国鉄が民営化してJRになり、中島悟が参戦したF1がブームとなり、アサヒがスーパードライを発売しました。麻原彰晃がオウム真理教を設立しました。とても平穏な年ではなかったですね。
1975年は個人的には広島カープの初優勝ですが、第一次オイルショックの影響で企業倒産が増えて、世相は混とんとしていました。この年、ベトナム戦争は終結しましたが、日本赤軍は活動を活発化させてクアラルンプール事件(アメリカとスウェーデン大使館占拠)を起こします。復帰3年目の沖縄で「沖縄海洋博」が開催されました。
1963年は、所得倍増計画の池田隼人政権も3期目となり、高度経済成長にそろそろ陰りが見え始めるころです。この年の11月9日15時過ぎに三井三池炭鉱の爆発事故が起こり死者458名、一酸化炭素中毒患者839名を出します、この事故は、戦後最悪の労災事故と言われます。その直後、21時40分に国鉄東海道線鶴見で死者161人、負傷者120人を出す多重衝突脱線事故が起こります。「血の土曜日」と呼ばれました。
さらに2週間後の11月22日にはアメリカでケネディ大統領が暗殺されます。不安と混沌のなかで歳の瀬を迎えた年でしょう。
戦後初めての卯年は1951年。年の前半は朝鮮戦争が激化しており、不謹慎ながら日本の復興を後押ししました。まだまだ戦後の混乱は続きましたが、9月4にサンフランシスコで開かれた講和会議で、日本の戦争は正式に終わり、独立国として国際社会に復帰しました。同時期に日米安全保障条約も結ばれました。
どうも、卯年が「平穏な年」であったことは少ないようです。しかし、うさぎは子孫繁栄や豊穣の象徴とされます。2023年が豊かな実りのウサギ年になるように期待しています。
それでは、また来年。皆さま、よい年越しをしてくださいませ。