ラーメン店は水道光熱費が意外なほどかかる

現在、ラーメンは日本の食文化を代表する「国際食」になっています。

 

ラーメンは不思議な食べ物です。ラーメンの味だけでなく、食材やつくりかた、文化や歴史、店のこだわり、職人の生きざまなどが熱く語られます。ラーメンを題材にした小説やマンガなども多数出版されています。また、ラーメンだけでも膨大な種類のレシピがあり、その多くが公開されています。お店のラーメンだけでなく、即席麺やカップ麺のアイテム数も多く、またそれぞれにこだわりがあります。

 

ラーメン
ラーメン

チェーン店ではない町のラーメン店の事業主さん、つまりはラーメン職人さんにはいくつかのパターンがあります。

大きく分けると、調理の経験があってラーメン店を開業した人と、調理経験のない異業種からの参入です。

 

比較的多いパターンは、和食とか洋食とかの料理店で働いていた調理人さんが独立開業する際にラーメン店を選択するケースです。

洋食の調理人さんでもフレンチの店を開業するのはハードルが高く、先ずはラーメン店を開くという方もいます。

 

ラーメン店の特徴は、全く調理経験のない方が起業しているケースが比較的多いことです。もちろん、この方々にはラーメン好きで食べ歩きの経験者という共通項があります。

ラーメンには無数のレシピがあるのですが、店で出されるラーメンは1種類(あるいは数種類)だけです。副菜も餃子だけという店も多いです。このため、ほとんど独学に近いような修行で、開業にこぎつける方もいます。そして、開業後の試行錯誤によってラーメンの味を磨いて繁盛店になっていくわけです。(もちろん、独りよがりの失敗例も多いですが・・)。

 

さて、ラーメン店の損益試算ですがJ-Net21/業種別開業ガイド/ラーメン店を参照します。

ラーメン店 損益モデル
ラーメン店 損益モデル

ラーメン店は開業に当たっての資金が少ないというメリットがあります。

店舗の内装にすごくこだわるということがなく、厨房(調理室)と店舗が一体のレイアウトも多いので費用が抑えられます。また、ラーメン店の数が多いことから、居抜きで借りられる物件も多いです。

 

気をつけないといけないのは、ラーメン店の原価率の高さです。素材選びに力を入れて、こだわりのラーメンをつくればつくるほど原価率があがります。

 

また、ラーメン店は水道光熱費がとても多くかかります。スープはずっとに加熱し続けないといけませんし、湯はいつも沸騰していなけばいけません。ラーメン店では、ガス代が予想を超えてかかります。

また、調理場と店舗が一体なので、夏場の冷房に使う電気代も高額です。

 

なかなか、この損益モデルのような構造にはなり難いと思います。

特に、足下でガスも電気も単価が上がっていますし、水道料金は元々とても高いですから、要注意です。

計画段階で、コンサルさんの意見だけではなく、実際にラーメン店を経営している先輩事業者の声を聞くことが大事です。