国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)で、ウクライナ戦争による温室効果ガスの大量排出が気候変動にダメージを与えていることが指摘されました。
戦争や兵器・軍事はそもそも大量の温室効果ガス(GHG:Green House Gas)を排出するのですが、実はその実態ははっきりしません。国連の枠組みの中でも、軍事分野からのGHG排出量は報告を求めないことになっています。もちろん、日本を含めて世界のどの国も報告なんかしません。☞ 2022/03/05 戦争は地球温暖化を招く
そもそも兵器は燃費をあまり考慮しません。大型戦車は1Lの経由で500~700mしか進みません。B-1戦略爆撃機は12,000㎞の航続距離を誇りますが、68,000Lの燃料を積んで飛びます。
ウクライナ戦争によるGHG排出量は、ロシアの侵攻がはじまって7か月間でCO2換算で8300万トンと推定されています。
戦闘そのものより、エネルギー施設や建物などのインフラや森林の火災などが原因になるGHGの放出が多くなっています。
これらの破壊されたインフラは、戦後に復旧することになりますから、その過程においてもGHGが放出されます
とにかく、戦争や軍事はGHGを放出する割合が大きいです。アメリカ軍(約160万人)のGHG放出量は人口1.6億人のバングラディシュ1国より多いそうです。先進国で比較してもポルトガルよりちょっと多くて、ベルギーより僅かに少ないレベルだそうです。
戦争の無い世界、軍備拡張の競争をしなくてもよい世界をつくらなければなりません。そのためには、国連とりわけ安保理事会に代わる、強力な機構は不可欠です。果たしてSDG’sの16番目のゴールにある「accountable and inclusive institutions」を世界市民は2030年までに獲得できるでしょうか?