BCP(事業継続計画)には発災時の応急対応もありますが、本来は中核事業の復旧計画です。
企業が不測の事態に合っても事業を継続するためには、中断してしまった中核事業を可能な限り早期に復旧させる必要があります。なかなか復旧しないと、顧客や社会に迷惑を掛けて、ときには取り返しのつかないこともおこります。また企業が信用を失うとか、他の代替品に置き換わってしまいとか、その後の事業がうまくいかなくなるかも知れません。
BCPにおいて、自社の中核事業とは何か?を事前に考えておくことは重要です。中企庁のwebサイトから引用します。
①あなたの会社の売上げに最も寄与している事業は何ですか?
②期限が定められている事業のうち、延滞が与える損害が最も大きい事業は何ですか?
③あなたの会社に課せられている法的または財政的な責務はありますか?
④市場シェアや会社の評判を維持するためには、どの事業が重要ですか?
先ずは、自分の会社の事業を棚卸して、どれが中核事業であるかを把握します。逆に言えば、中核でない事業は再開が遅れてもやむを得ないと割り切ることもできます。
中核事業は早期復旧を目指すので、その事業に必要な経営資源(人・モノ・カネ・情報)をピックアップして、それを揃える段取りを予めとっておきます。
ここで重要なのは、経営資源は全てが揃わないと事業再開とならないことです。ボトルネックになる資源が一つでも欠けていると再開できません。その代替手段を考える必要があります。
例えば、大規模な自然災害で長期間の停電が予想されたとします。中核事業には「電力」が必要な経営資源である場合には、電力の代替を考えます。発電機を使うのか、停電エリア外に場所を移すのか、協力会社に委託するのか、何らかの方法を見つけ出します。
中核事業の把握と復旧手順の確認をしましょう。