NHKラジオの祝日企画番組に「国語辞典サーフィン」というのがあります。
サンキュータツオさんというお笑い芸人さんは、国語辞典コレクターでもあり、実際に広辞苑の編集にも協力されています。番組では、各社の国語辞典を紐解きながら、その特徴や面白さを紹介するのですが、存外に面白いのです。普通の人は辞書は1冊しか使わないので気付き難いのですが、辞書といってもいろいろなんですね。
「国語辞典サーフィン・第三版(第3回の意味です)」では、アパートとマンションの違いを、それぞれの国語辞典がどう書いているか?といったテーマがありました。どうも、高層階があるのがマンションという説明が多そうです。
また、国語辞典には用例が載っていますが、それぞれの辞典で用例に使う言葉に癖があるそうです。例えば、「カレー」の用例で「カレーライス」は普通ですが、「カレーうどん」「スープカレー」「カレーまん」「ドライカレー」などもまぁ納得です。しかし、三省堂国語辞典には「じゃがいものカレー煮」、新明解国語辞典には「欧風カレー」、岩波国語辞典には「グリーンカレー」が載っているそうです。
この番組では、この他にも国語辞典に関する面白い話が聞けます。
先日、たまたま文庫本(岩波文庫)を買ったら、ペラペラの栞が挟まっていて、広辞苑の広告がありました。裏面に「広辞苑」に遊ぶ(18)”営む”という短いコラムが書いてあります。ちょっと紹介します。
営むは「忙しく仕事をする」というのが元の意味で「暇無し(いとなし)」の語幹に動詞を作る語尾の「む」を付けたものだそうです。また、英語の「ビジネス(business)」も「忙しい(busy)」に名詞を作る語尾「-ness」を付けたものということです。
経営も営業も、忙しく仕事に追われるものということです。